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インボイス(適格請求書等保存方式)の導入について

これまで、消費税の免税事業者からの仕入等であっても仕入税額控除が認められていましたが、軽減税率制度の導入が予定されている平成29年4月からは一定 方式の請求書等を保存したもののみが対象となり、平成33年4月以降からは免税事業者からの仕入税額控除が原則認められなくなります。

1. 区分記載請求書等保存方式
インボイス導入までの当面の執行可能性に配慮し、軽減税率制度が導入される平成29年4月からインボイスが導入される33年3月までは、「区分記載請求書 等保存方式」が適用され、同方式では「区分記載請求書」等の保存が仕入税額控除の要件となり、「区分記載請求書」には従前の請求書等の記載事項に加え、次 の2点を記載することになります。
① 軽減対象資産の譲渡等である旨
② 税率の異なるごとに区分して合計した対価の額
一方で、売手に「区分記載請求書」の交付義務・保存義務は課さず、免税事業者が①②の記載のない請求書等を交付しても、①②は買手が事実に基づき「追記」しても要件を満たしたものとみなして、仕入税額控除ができます。

2. 適格請求書等保存方式(インボイス)
インボイスでは、「適格請求書」等の保存が仕入税額控除の要件となりますが、免税事業者は「適格請求書」を発行できないため33年4月以後は、原則、免税 事業者からの仕入税額控除はできなくなります。但し、経過措置として、導入後6年間は仕入税額相当額の一定割合を控除できる特例が設けられています(最初 3年間は80%、その後3年間は50%)。
この特例を適用するためには、「区分記載請求書等保存方式」と同様に①②も記載された請求書等の保存が必要となりますが、この際も、買手が事実に基づき「追記」することができます。


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  以上、小規模(免税)事業者にとって事業の継続にも影響を与えかねない重要な改正となっています。