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贈与にならない資産承継

子どもや孫にまとまった金額を与えても贈与にならない、財産の渡し方があります。 教育費や生活費として渡せば家族同士の助け合いにたるため、贈与税の対象になりません。今回は、生前に資産を渡し、結果的に将来の相続財産を減らす方法について説明します。


1. 「扶養義務」に着目


扶養義務とは、分かりやすく言えば生活の面倒を見る義務です。親が子どもの生活費や教育費をふたんしても「生活の面倒を見ている」のであり「贈与」 ではありません。祖父母が孫の教育費を出しても扶養と見なされます。親や祖父母のほか配偶者や兄弟姉妹にも扶養義務があります(民法第877条)。そこで は、扶養される側の年収や貯蓄に明確な制限がないため、一般的な会社員が自分の子どものために親から援助を受けても、問題にあることはありません。援助の 金額も、贈与税と違って明確な基準はなく「生活費または教育費」で「通常必要と認められるもの」としか相続税法(21条3二)に定められていません。「教 育費」は塾代や教材費、部活動、習い事など学校の授業料以外でも問題ありません。


「生活費」の範囲は「日常生活」に必要な費用とされ、曖昧です。もっとも、贅沢品を買うお金は一般的に贈与とみなされます。その一つとして、車を親 や祖父母が買い与えると購入資金は贈与税の課税対象になります。一方で、親名義で車を買い、子どもが運転するのは問題ないとされています。


2. 扶養としてお金を受け渡しする際の注意点


「もらった金額は残さず使い切るのが鉄則」


大学進学費用を祖父母が援助する時、4年分まとめて先渡しするのは扶養ではなく贈与と見なされます。祖父母が渡したお金が、親の手元に貯蓄として残 る点が問題となります。必要なときに必要な金額を渡すことが大切で、授業料や入学金なら、孫の学校の銀行口座に祖父母が直接振り込むのが望ましいといえま す。


3. 学資保険


学資保険は、保険料を誰が払うかに注意が必要です。 学資保険は「学資」を保証する保険であるのものの、保険料を払う時点では教育費とみなされません。将来に向けて貯めるお金であり、満期保険金が何に使われ るか確定していません。満期保険金を受け取るとき課税され、契約者、被保険者、保険金受取人の関係により所得税か贈与税かが決まります。契約者と受取人が 両方とも本人である場合、受取保険金から払った保険料や一時所得の控除枠(50万円)を差し引いて課税額を計算します。契約者が親で受取人が本人の場合、 受け取った金額が贈与税の対象となります。