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所得控除の縮小を中心とした見直しの方向性について

今回は、政府税制調査会の2011年度税制改正大綱に明記される予定の所得控除の縮小を中心として見直しの方向性についてご説明致します。

政府税制調査会が2011年度税制改正大綱に明記する所得控除の縮小は、「所得再配分」の名目で高所得者に多くの負担を求める内容となっています。政府や来年度税制改正・予算編成の狙いを「成長と雇用」と定め、増税で確保した財源を脱デフレ政策に振り向けることなどで国民の理解を求める考えのようですが、高所得者の意欲を低下させ、経済の活力をそぐ懸念も否めません。

1.給与所得控除、成年扶養控除の見直し

10年~数十年に一度という税制改正の「大玉」である給与所得控除、成年扶養控除の見直しについて、

  • (1)サラリーマンの給与所得控除の対象を1,500万円部分までとし、それを超える部分は対象外とする。さらに、年収2,000万円超の報酬を得ている取締役や監査役、執行役などの法人役員は控除額を一般従業員の半分程度に圧縮する。国会公務員や地方公務員の幹部も対象。控除額を段階的に縮小し、年収4,000万円超では   一般従業員の半分とする仕組みとする。
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  • (2)年間所得が38万円以下の23~69歳の扶養家族がいる納税者を対象とした成年者扶養控除も縮小。年間568万円超は控除を廃止する。但し、扶養家族が障害者や難病人、要介護者、学生などの場合は控除を存続する。

  • 2.その他

  • (1)配偶者控除の見直しでは、厚生労働省の提案を受け、年収1,231万円超について廃止を検討中ですが、「主婦層狙い撃ちの負担増」との批判が強いため、流動的な状況。
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  • (2)退職金については、給与の後払い的性格を考慮し担税力の観点から、退職所得控除を控除した上で2分の1課税をしているが、天下り役員のように極めて短期間で高額な退職金を得る役員にまで、同様の措置をとる必然性は乏しく見直しを行う。
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  • (3)相続税の基礎控除の縮減を行うとともに贈与税減税を実地する。

上記の通り、来年度改正では、増税案件がずらりと並んでいますが、その背景には、民主党が基本的な消費税増税の議論を先送りしていることがあります。社会保障財源に見合う消費税の議論が封印され、個別税目の枠内で帳尻合わせに四苦八苦している様子が窺えます。